「やりたいことはある。でも、やり方が分からないんです」
相談に来る人の多くが、
申し合わせたようにこの言葉を口にします。
その度に僕は思います。
「あ、この人の悩みの本丸は別の場所だな」と。
27歳で都会から逃げるように帰省し、
その後15回の転職を繰り返していた頃の僕も、
全く同じ状態でした。
「自分に合う仕事が見つからない」
「成功の仕方が分からない」
そうやって、
動かない理由を外側に求め続けていた。
でも今なら分かります。
あれは
「やり方が分からない」のではなかった。
踏み出した先にある
「責任」と「失敗」から目を背けるための、
自分への言い訳だった、と。
しかも非常に巧妙な言い訳で、
本人が気づきにくい。
「やり方さえ分かれば自分は動ける」という
体裁を保ちながら、
実際には何もしないでいられる。
都合の良い言葉です。
僕がXで2,200日以上発信を続け、
3.3万人のフォロワーと繋がることができたのは、
最初から正しいやり方を知っていたからではありません。
やり方が分からないまま、
とりあえず投稿を放り投げ続けた。
壁にぶつかるたびに必死で調べて、
泥臭く修正してきただけです。
「やり方」というのは、
動いている人間の前にしか現れない道の跡のことです。
立ち止まっている人間の前に、
道ができるはずがありません。
僕が主催していた
「勢い講演会」に登壇した人たちも同じです。
最初から
「人前で感動させる話し方」を知っていた人なんて一人もいない。
「やる」と決めて、
何を話すか真剣に考え、
迷いながら、緊張したまま登壇した。
強制的に
動かざるを得ない環境に自分を放り込んだから、
必死になってやり方を考えるしかなかった。
やり方は、
動いた後についてくるものです。
動く前に手に入るものじゃない。
ただ、一つだけ正直に言わせてください。
「やり方が分からない」という言葉の奥に、
もっと深い何かが隠れている人がいます。
勇気の問題でも、
やる気の問題でも、
根性の問題でもない。
その人の人生の文脈の中に、
動けない本当の理由がある。
こういう人には共通したパターンがあります。
セミナーに行き続けている。
本を読み続けている。
資格を取り続けている。
人脈を広げ続けている。
つまり
「行動し続けてる」
「学び続けてる」
だから、
行動量は決して少なくない。
むしろ周りから見れば「頑張っている人」に見える。
それでも、なぜか現実が変わらない。
そしてこういう人に限って、
「まだ学びが足りないから変わらないんだ」という
結論を出し続けます。
だからまたセミナーに行く。
また資格取得を目指す。
このループが静かに、
しかし確実に続いていく。
これはやり方の問題じゃない。
学びの量の問題でもない。
僕がこれまで関わってきた人たちを見ていて、
確信していることがあります。
動けない本当の理由は、
必ずその人の人生の中にある。
セミナーの外にある。
資格の外にある。
新しい知識の外にある。
「まだタイミングじゃない」と言い続けていた人が、
人前で話す決意をした。
セミナーや学びを重ねてきたセラピストの女性が、
「自分では当たり前にやっていたことが、圧倒的な強みだった」と気づいた。
これらは全員、
やり方がわかったから動けたのではありません。
その人の人生を丸ごと掘り返した結果、
動けなかった本当の理由が見つかったから動いた。
やり方を探すのをやめて、
先に掘るべき場所を変えた。
それだけの話です。
「分かってるのに動けない」が続いているなら、
やり方の問題ではない可能性が高い。
その人だけの、
その人の人生の中にある答えを、
見つける必要があります。
あなたの「動けない本当の理由」は、
あなたの人生の中にしか落ちていません。

